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素朴な質問!?メガネ素材の純チタンとかβチタンて何?合金と何が違うの?

巷のメガネ屋さんでよく聞く「チタン」とか「合金」とか・・・

しかも「チタン」のなかでも「純チタン」や「βチタン」・・・

もう何がなんだかワカラン!・・というかたに、今回はそれぞれの素材について解説してみたいと思います。

そもそもどれくらい素材があるの?

まずはメガネフレームに使われる素材がどれくらいあるのか?というのが気になるところです。

以下に列挙してみました。

 

【金属素材】

チタン

今現在国産メガネフレームで主流になっている素材です。私が業界に入った頃の20年前くらいはまだ合金素材に比べて少なく、価格も今に比べて1.5倍くらいはしていました。

そしてチタンの特徴は

①比重が軽い (鉄の3分の2、銅の半分)

②強度や熱に強い(鉄の2倍、アルミの3倍、航空機やロケットの部品に使われる)

③耐食性に優れる (錆びにくいとされるアルミやステンレスよりも錆びない)

チタンはギリシャ神話の「タイタン」から名付けられており、その名の通り地中に封印されたかの如く抽出が難しく、加工も難しかったため難削材といわれていました。不純物を取り除き、加工して製品化に至るまで何十年も要しています。

アレルギーなども起きにくく、医療用のインプラントを中心とする医療器具に最適な素材といわれます。

 

βチタン

チタンに他の素材を加え、熱処理によって合金化したものの一種です。チタン合金中最高強度で、高強度なのに関わらず、加工性に優れている点を鑑み、様々な用途での使用が可能とされています。

メガネとしてはテンプル部分(ツル)にに使用されることが多いようです。

 

NT合金(形状記憶合金)

チタン合金の一種でNT合金(ニッケルとチタンの合金)で作られています。

純チタンなどと比べると少し比重は重くなりますがβチタン同様テンプルなどに使用され、超弾性により形態を安定させます。

 

ニッケル合金

ニッケル合金とはニッケルと別の金属を合わせて作られる金属のことです。いわゆる合金といわれる素材の代表的な存在が”ニッケル合金”で、他にもサンプラチナという合金が存在します。

メガネやサングラスのフレーム素材として古くから使われている素材で、30年くらい前まではほとんどこの金属がメガネに使われていました。
ニッケルとクロム合金(Ni-Cr鋼):耐食性が非常によく、光沢永続性に優れ、変色しにくく、ろう付けも安定しているのが特徴です。
基本的に硬い素材です。

安価なフレームなどによく使われることが多いですが、細かな加工のしやすさから高価なフレームでも装飾のためにあえて使用している場合もあります。

素材の中のニッケルがアレルギーを起こすことがあるため、金属アレルギーをお持ちの方にはオススメ出来ません

 

【プラスチック素材】

アセテート

現在プラスチックメガネフレームの中で主流の素材となっています。

樹脂系の素材では適度な柔軟性と柔らかさがあり、量産に適しています。テンプル(ツル)部分に芯金と言って金属のパーツを入れて使用されることが多く、ある程度の薄さになると形状が安定しにくくなります。

 

セルロイド

今のプラスチックフレームがセルフレームと呼ばれているのは、元々セルロイドを使っていたからです。

高価だった象牙に代わるものとして開発された。歴史上最初のプラスチックで、古い歴史を持ちます。

現在ではアセテートにとって代わられているものの、アセテートに比べて強度があり、光沢もきれいに出るので古くからの愛用者も多数いるようです。

ただ素材が固いため、工場での量産に向かず、現在では職人のハンドメイド系フレームによく使われます。

可燃性の高い物質の為扱いが難しく、加工に危険性が伴うため海外での生産を禁止しているところもあります。

 

ウルテム

アメリカのGE社によって開発された樹脂の商標名)
優れた耐熱性と機械的強度に優れているものの、加工性が悪く、耐衝撃性(角部をRにする必要有)、耐薬品性に劣る。

 

TR90

低価格帯のセットメガネなどに使用される素材です。

グリルアミドTR-90は医療用具のために開発された素材で、医療用カテーテルなどに使用されています。
軽量で弾力性を持ち、耐衝撃性に優れており、金属アレルギー対策にも有効なものの、耐熱性が弱く劣化も起きやすい。

また工場での量産にも向いているため、現在では安価なメガネの素材として使用されています。

 

べっ甲

いわずと知れた高級素材。

タイマイというウミガメの一種の甲羅を加工して作られます

古くからかんざしや帯留めなどにも使われており、徳川家康の使用していたとされるメガネもべっ甲製との事です

プラスチックフレームとはまた違った質感をもち、重宝されていますが今では素材自体の入手が難しく、希少価値は上がっています

汗や整髪料、水気に弱かったり、定期的なメンテナンスが必要とはなりますが、肌触りや使えば使うほど顔に馴染む特性などのため未だに人気の素材です。

 

金(14金・18金・24金)

重さはありますが腐食に強く長持ちする素材です。

K24だとメガネフレームとしては強度的に弱いため、K18やK14のものが多く使われています。

金属としてはチタンや合金よりも重いのですが、金特有の柔らかな質感や色合いは人気で、メッキではないので剥がれてしまう心配もないので長く使用することが可能です。

 

純チタンとβチタンの違いは?

それでは次に、メガネ素材として現在よく使われているチタンについて掘り下げてみたいと思います。

現在メガネフレームではチタンの中でも「純チタン」と「βチタン」という素材がよく使用されています。

おそらくこの2つのチタンの違いが判る方は少ないのではないのでしょうか。

 

メガネパーツごとに使い分ける

ではこの2つの素材の違いは何かというと、簡単に言うと強度としなやかさの違いです。

純チタン自体はほかの金属に比べて強度もあるのですが、これに他の金属を混ぜることでより強度を上げることができるんです。

そしてそれがいわゆるチタン合金といわれ、その中の一つとしてβチタンが存在します。

この強さは、薄く削ることで竹のようなしなやかさを出すことができます。

この良い特性をメガネフレームの中で生かし、バランスを保つためにパーツごとの運用がなされています。

ある一定の厚みを出すことで強度が得られる純チタンは、メガネのフロントパーツ(レンズをはめるところ)に使用されることが多く、薄くすることで弾力としなやかさが得られるβチタンはテンプルパーツ(ツル)部分に用いられることが多いのです。

 

コストを安く抑えるなら

このように、メガネフレームの各パーツの機能に合わせて使用されることが多いチタン素材ですが、必ずしもそうなっているということではありません。

現在、メガネのチタン素材は日本の加工技術が世界で最も進んでいるといわれますが、中国などでもチタンを加工することはできます。

ただ単にチタンを使用するなら、ただでさえコストがかかるチタンをパーツごとに分けて使うより、単一の素材ですべてのパーツを補ったほうがコストがかかりません。

ですのでコストを下げて安く作りたい場合は、すべて同じ素材を使うことが多いようです。

各パーツの特性にあった材質のチタンを使うのは実はとても贅沢なことでもあるのです。

 

 

 

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